昨年12月ブルーノート東京にて

 

私は兎にも角にも上原ひろみが好きである。グラミー賞を受賞した時に、ニュースでも取り上げられていたので上原ひろみを知っている方も多いと思う

私はあまりジャズは好きではないが、上原ひろみは好きである。ジャズを聴いていてもあまり心が落ち着かない。忙しなく出てくる音に何だか気疲れしてしまう。

しかし、こと上原ひろみに限ってはそのようなことはない。ひたすらマシンガンのように音を聴かせられるというわけではなく、すっと体に入ってきて、内部で染み込む。そんな感じなのだ。

そんな上原ひろみのライブが、12月の中旬に青山にあるブルーノート東京で開催された。ブルーノート東京はジャズクラブで、アーティストの演奏を聴きながら食事を取る事ができるレストランである。

専らライブがメインなので、食事目当てで来る人は殆どいない。しかし、料理は最高に美味しいので正直食事目当てで行きたいと思うこともある。ワインも美味しい

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反対側の掲示には和田アキ子のライブの告知が掲げてあった。「そういえばシンガーだったな」と思い出した。

開場後1時間ほど時間があり、この間に食事をとる。私のおすすめはボロネーゼである。トマトの甘さと酸味が絶妙に混ざり合い、さらに肉汁と絡み合って一口噛む度にうまみが口いっぱいに広がる。これに白ワインを合わせて食べるのが好きなのだ。

ライブがあまりにも待ちきれなくてそわそわしていたため、食事の写真はない。仕方ない、目の前に上原ひろみとアンソニー・ジャクソンとサイモン・フィリップスが現れるのだから仕方ない。

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チェックインをするとレコード型のコースターに整理番号が書かれて渡される

友人と軽く会話をしながら食事をして、心も体も大分ゆったりとしてきたところで大歓迎に包まれながら、上原ひろみとアンソニー・ジャクソンそしてサイモン・フィリップスがステージに登場しライブが始まった。目の前をサイモン・フィリップスが通り過ぎて思わず感動してしまった。

一曲目は知らない曲で、恐らく来年の2月に出るアルバムのSPARKの曲かなと思ったらその通りだった。アルバムSPARKより「SPARK」だった。

今回のライブはアルバムSPARKの曲のお披露目がメインらしい。ALIVEに入っていた曲が1曲か2曲ほどあった程度で、残りはすべてSPARKからだった。セットリストは次の通り

1st
1 SPARK
2 DESIRE
3 WONDERLAND
4 INDULGENCE
5  WAKE UP AND DREAM(SOLO)
6 ALIVE
UNCORE ALL’S WELL
2nd
1 SPARK
2 PLAYER
3 TAKE ME AWAY
4 DILEMMA
5 FIREFLY(SOLO)
6 IN A TRANCE
UNCORE WAHT WILL BE, WILL BE

どの曲も素晴らしかったが、中でもIN A TRANCEのサイモン・フィリップスのドラムソロが強烈に印象に残っている。ずっとサイモン・フィリップスのドラムソロを聴きたいと思っていた私にとって待ちに待った曲だった。SPARKの曲はどれもALIVEからのさらなる進化といった感じであった。

最初の一曲目が終わった後の短いトークセッションの中で、上原ひろみが「作って頂いたどら焼きがとても美味しかった」と言っていたのと、講演が終わった後にフロアスタッフに唆されてどら焼きを注文してしまった。

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講演が終わっても閉店時間までは食事や飲み直しができるのが嬉しい。

肝心のどら焼きがこれなのだが、私の知っているどら焼きではない。

これまでの人生の中で一番高いどら焼き(1600円)

これまでの人生の中で一番高いどら焼き

茶色のふわふわしたのがどら焼きのバンズ的なもの、そして手前にあるのが塩あずきのアイスで、苺の下にあるのがマスカルポーネチーズである。これらをどら焼きのバンズに付けながら食べるのだ。もはや私の知っているどら焼きではない。しかし、食べてみるとどら焼きなのだ。

塩あずきのアイスが口の中でじわっと溶けながら、小豆の甘さの後に絶妙な塩のしょっぱさが甘さをより引き立てている。塩梅とはまさにこのことだろう。そして、マスカルポーネチーズは口に含むと優しい甘さが口いっぱいに広がる。先ほど食べた塩あずきのしょっぱさと絶妙に絡み合い、その素晴らしさは言葉にできない。

上原ひろみとアンソニー・ジャクソンとサイモン・フィリップスの奏でる音を聴いて既に幸せの絶頂にいたが、まさかどら焼きで脳みそが溶けるのではないかと思うほど至福になるとは思わなかった。

「まさにこれこそがライブ!」と思わざるを得ない上原ひろみの演奏と、最高の料理が同時に楽しめるのはブルーノートだけだと思う。色々書いたが、やはり上原ひろみは素晴らしい。