ある日講義に遅刻してぼんやり大学内を歩いていたらたまたま会った友人に「アメリカ行かない?」と言われ、何も考えずに即答で「行く」と答えた。大学院に進学して授業が多すぎて嫌気がさし、人生そのものにも嫌気がさしていた私にはこの友人の言葉はまさに、天からの蜘蛛の糸だった。というわけでアメリカ、シリコンバレーに行ってきた。

シリコンバレーでの最大の目的は「ハッカードージョー」なるエンジニアが集う場所があるらしく、それに参加することである。友人の親戚がシリコンバレーで働いているとのことで、親戚の方にお世話になり、シリコンバレーに赴いた

シリコンバレーシリコンバレーと連呼しているが、肝心のシリコンバレーはSan Joseにある。あと最近はITの方が盛んなのでITバレーと呼ばれていたりもする

599 Fairchild Dr<br /> Mountain View, CA 94043

 

GoogleフレックスやAppleの本社もこの周辺に密集している。少し離れるとSoftBankやevernoteやNikonやHITACHIなんかがある。スタンフォード大学もシリコンバレーにある。スタンフォード大は行ってみればわかるが、あまりの広さに笑いが止まらなかった。「日本の大学ってなんなんだろう…」と思ってしまうが、学費を聞いたときに「日本の大学はなんて素晴らしいんだ」と思い直す。

「ハッカードージョー」とは何か

そもそもハッカードージョーってなんやねん、というと。これである。懸命な皆様にはこれで全てお分かり頂けたと思う。が、一応説明すると、技術者(パソコンオタク)が集まって好きものを好きなように作って「こんなんできたぜ」と見せ合ったり、発表したりして色々ありつつ起業したり起業しなかったりする。所謂技術者のためのコミュニティスペースである。場所はここにある

599 Fairchild Dr<br /> Mountain View, CA 94043

 

ここで自分の作ったものを発表して賛同した人と起業して一発当てるという感じである。好きなことを好き放題やって生きていく、まさにYouTubeの謳い文句を実際にやっている場所である。文面からはどんな場所か全くイメージが出来ないと思う。そもそも日本にこんな場所はあまりない。DMM.AKIBAくらいだと思う。私はハッカードージョーの存在を大学の先輩から教えてもらい、先ほど述べたような説明をされて「意味わかんないけど行ってみたい」と思い行ってみた。

「ハッカードージョー」ってどんな感じ?

要はフリースペースなのでこんな感じだ

作業スペースで研修で来ていた会津大の学生と軽く話す

作業スペースで研修で来ていた会津大の学生と軽く話す。「東京に行くのとアメリカに行くのは僕らは金額的にさほど変わらない」とのこと

室内は結構広い。大きめな体育館程度の広さがある。そこに机がばーっと並んでいて、デスクの上にはモニタがあって皆がそれぞれ自分の作業に没頭している。多いのはインド人で、中国人はあまり見かけなかった。シリコンバレーが大好きな日本人も勿論いる。最近はシリコンバレー研修が色々な大学で開かれているので、常に日本人は誰かしらいるようだった。写真に写っているのは会津大の学生で、やはりシリコンバレー研修とのことだった。他にも青山学院の学生や東大や電通大の学生もいた。

 

別に何かしなくてはいけないわけではないので皆さん自由にやっている。半田付けの設備は一式そろっていて、基盤やら電子部品もあり好きなように使っていい。まさにエンジニアにとっては楽園のような場所である。そして自分が作ったものが出来上がったら皆の前で発表する。

会津大の学生の発表。作った物のアイデアは良かったが肝心のプレゼンは...

会津大の学生の発表。作った物のアイデアは良かったが肝心のプレゼンは…

これは作ったものを発表している様子。毎週発表する日が決まっているらしく、それを皆の前で写真のように発表して「それいいな」と誰かがノってきて起業したり、しなかったりするらしい。この間もここで発表したインド人とスイス人が一緒になって起業したらしい。写真に写っているのは先ほどの会津大の学生の発表。こんな具合に作っては発表してみんなから感想をもらうといった感じである。NASAのエンジニアや宇宙飛行士の方も来るらしい。あと司会のかなり太めな人がかなりはっきりとした日本語で「ホリエモンの友達です」と言っていたりと、色々な人が集まっている。

まとめ

シリコンバレーと聞くとあちらこちらでみんなが集まってイノベーションが…みたいなことをイメージすると思うが、実際はハッカードージョーくらいしかオープンな場所はないと、現地の方に言われた。実際行ってみるとわかるが、会社のビルはあるけど何か他にあるわけではない。何も知らずにシリコンバレーに行ったらスタンフォードとGoogleとAppleを見て…という感じになるだろう。

ハッカードージョーに居た人達と話しみてわかったのが、彼らはどんなアイデアを言っても絶対に否定から始まらない。まず肯定から入る。そこが日本人とのとても大きな差だと思う。粗探しをして酷評することから始める日本人に比べて遥かに建設的である。「こうしてみたらいいかもね」「それにはいいものがあるよ」と助言もくれるので議論が深まる。

日本人の悪しきところは「役に立たないものは価値などない」と考えることであると思う。もっと言えば「役に立つものでないと価値を見いだすことができない」。これは病的なことである。そもそも「役に立つ、立たない」とはその時代が決めることであって、モノの預かり知ることではない。今の価値基準ではとうてい判断できないのだから。何年後か立てば役に立つかもしれない。だが、そんなものは誰にもわからない。未来のことなど誰にもわからない。だからこそ作るのである。作って作ってひたすら作る。そこからいいものがポンと出てくる。シリコンバレーに行ってとても前向きな気持ちになれた。日本にいると二言目には「何の役に立つの?」という質問がくる。実にくだらない。

このような場所で、「とりあえず思いついたからモノを作る」そして、そこから色々な人との関わりでイノベーションが生まれるのだろうと綺麗に締めて終わりとまとめとする。散々言ったが、実際に行ってみないとわからない。